最近、巣鴨、柴又と“昔ながらの東京”を彷彿とさせる街をめぐってきた私の散歩シリーズ。今回はその延長で、久しぶりに谷根千へ足をのばしました。
10年ほど前に一度訪れた記憶はあるけれど、当時の印象はあいまいです。当時も既に「谷根千」と呼ばれていたのですが、テレビで言われる程、特段何か印象に残る事もありませんでした。ほとんど忘れているというか。
それでも、今回久々に行く事にしたのですが、前回より良い印象に塗り替えられました。とにかく暑い一日で、日傘が必須、汗まみれになって巡った一日でした。
よみせ通りのラーメンと、ゆるやかな出発
千代田線の千駄木駅から、谷根千に着いてまず向かったのは、よみせ通り沿いのラーメン屋さん。散歩の前に、まずは腹ごしらえです。実は、この通り沿いも結構お店があって、猫の店でポストカードを買ったりと、歩いていて興味深いお店が多かったです。その中で美味しそうなラーメンの看板が出ていたので、そのラーメン屋さんにお邪魔しました。



店内では家族経営らしい従業員さんが忙しそうに立ち回っていました。カウンターに通されると、地元の常連らしき人と、外国人観光客が入り混じっていて、地元に定着しているお店なんだと思いました。
シンプルだけど丁寧な味のラーメンをすすりながら、汗がじんわりにじみます。ニンニクの入っていない餃子というのも食しましたが、肉肉しい感じで食べごたえありました。
店を出ると、強い日差しで、暑さの中で、しばらくその通りを歩いた後、のんびりと谷中銀座方面へ歩き出しました。
谷中銀座、10年ぶりに歩いたら…?
谷中銀座の商店街を歩くのは、10年ぶりでした。
当時の記憶はぼんやりしていたけれど、今回は驚くほど観光客が多く、特に海外からの人たちの姿が目立ちました。
細めの道沿いだけれど、お店が多く、昔からの肉屋さん、魚屋さん、反物屋さん等がある一方で、新しい雑貨やカフェ、ベーカリーなど、少しずつ“新しさ”が混ざっている印象。けれど、夕焼けだんだんの階段から見下ろす商店街の風景は、以前と覚えているままでした。


その階段の近辺で、ベイゴマを打っている人たち(これは柴又でも見かけた風景でした。)や、紙芝居屋さんがいて、これは新宿や渋谷では見られない光景だなと思いました。
猫をモチーフとしている町ですが、暑さのせいか本物の猫は1匹しかみかけませんでした。
変わってしまった部分もありましたが、不思議と違和感がなくて、町の“芯”みたいなものはちゃんと残っている——そんなふうに感じながら、汗をぬぐい、もう少し先まで歩くことにしました。
谷中霊園で、歴史の静けさに触れる
谷中銀座のにぎわいを抜けて、少し足を延ばして谷中霊園へも行きました。
一歩足を踏み入れると、空気がふっと変わるのがわかります。広々としている所に、びっしりお墓があり、さっきまでの人混みが嘘のような閑散さ。
どうせ来たならと、徳川慶喜のお墓を探す事にして広い敷地を歩いてようやくたどり着きました。日本史で名前を知っていた“最後の将軍”が、この場所に眠っていることに、小さな驚きと不思議な親近感を覚えました。
暑さの中にも凛とした空気が流れる霊園で、町の歴史と重なった時間をほんの少しだけ感じることができました。





変わる町、でも“時間の流れ”はそのまま
10年前と比べて、お店も人の流れも変わった谷根千。
にぎやかさのすぐそばに、静けさや歴史が自然に寄り添っている——そんな町のバランスを感じ取って、今回の訪問で、この街も良いなぁと感じられました。
また季節を変えて、ふらりと訪れたくなる——そんな場所でした。
谷中銀座 |
〒110-0001 東京都台東区谷中3丁目13−1 |
メモ:時代は進んでも、町の呼吸は変わらない、地元の方たちが盛り上げようと努力しているのが分かる街。外国人観光客が大分増えていてびっくり。
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